河野太郎衆議院議員が核ゴミ問題について鋭い指摘

抜き技ブログ管理者です。
以下のメールを転載します。


河野太郎衆議院議員が核ゴミ問題について鋭い指摘をしています。
非常にわかりやすい文章で、自民党の中でも数少ない反原発派の議員です。

河野さんはごまめの歯軋りという個人メルマガを発行していますが、自民党の中でもかなりイケテル議員さんではないかと思います。


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http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070330/122128/?P=1


“核ゴミ”騒動の深層
場当たり的、敗戦処理的な原子力政策を河野太郎衆院議員が斬る

2007年4月2日 月曜日 谷川 博

2007年1月末、高知県東洋町が高レベル放射性廃棄物の最終処分
場の調査候補地に応募し、その賛否を巡って町内を二分した騒動は日本
全国に大きく報道された。しかし、「本質的な議論に至らないまま、世
間から忘れ去られようとしている」と河野太郎・自民党衆院議員は警鐘
を鳴らす。原子力政策に批判的な河野氏に、「核ゴミ」の深層を聞い
た。(聞き手は、日経ビジネス オンライン記者=谷川 博)


NBO 東洋町の“核ゴミ問題”では、町長の独断による調査候補地応募
と、金で過疎の町を釣るような国のやり方が批判されました。

河野 あれは、この問題のごく表層を見ているのに過ぎません。

 いいですか、“核ゴミ”と言いますが、これにはいくつかのレベルが
あるんです。原子力発電所の燃料はウランですが、ウランを原子炉で燃
やすと「使用済み核燃料」というものが出てくる。これが、まず
1つです。

 この使用済み核燃料は、原子力発電所のすぐそばの貯蔵プール中で保
管しているのですが、発電所によってはこれがそろそろ満杯になりそう
なところがある。そうなると原子力発電所を止めなければいけないの
で、電力会社は莫大な損を被ることになります。

 そこで、青森県六ヶ所村に「再処理工場」を作ったんです。使用済み
核燃料をどんどん六ヶ所村に運び込めば、貯蔵プールが空く。原子力発
電所を止めることなく、操業を続けることができる。青森県だって、核
ゴミを押しつけられるというのでは困る。だから、“再処理工場”なん
ですね。今、稼働に向けて「アクティブ試験」というテスト段階まで来
ています。ここで何が作られるかというと、プルトニウムです。

 現在、日本にはプルトニウムが国内に5~6トン、委託処
理しているものが欧州に40トンぐらいある。確か、隣の北朝鮮に
あるのは10キログラムか20キログラムぐらい。北朝鮮が保
有しているキログラム単位のプルトニウムを巡って6カ国協議を
やっている一方で、その隣の日本は50トン近いプルトニウムを保
有している。



無意味に量産される“核ゴミ”



NBO でも、同じプルトニウムでもその性格は全く違いますよね。

河野 もちろんです。問題は、日本は大量のプルトニウムを生産しよう
としているのに、実はその使い道がないことです。つまり、新たな“核
ゴミ”を作り続けようとしている。

 計画では、プルトニウムは高速増殖炉の燃料になるはずだった。「エ
ネルギー需要を2000年分ぐらい賄える夢の技術」と喧伝されてい
ました。ところが、高速増殖炉の技術はまだ確立されたものではありま
せん。1995年に起きた「もんじゅ」の事故、そして事故後の隠蔽
工作が露見したことによって、地元住民からの信頼を失墜。運転再開の
めどさえ立っていません。政府は、「高速増殖炉は2050年頃まで
は実用化できない」という見解を示している。本当に“夢”の技術に
なってしまったのです。

 つまり、何十年後に実用化できるのか分からない高速増殖炉の燃料と
して、プルトニウムがジャカジャカ生産をされている。じゃあ、そのプ
ルトニウムはどうするのか。そこで、出てきたのが「プルサーマル」で
す。プルトニウムとウランを混ぜて、普通の原子力発電所で燃やす燃料
にしようというわけです。

 ところがですよ、プルサーマルにも問題が起きた。ウランとプルトニ
ウムを混ぜて作った「MOX(モックス)燃料」の中に異物が混
じっていて使い物にならなかったり、またもやデータが捏造されたりし
て、計画は遅れに遅れたんです。それでも、ようやく「プルサーマルを
やってもいいですよ」という自治体合意が取れたと思ったら、今度は全
国の原子力発電所で過去に事故の隠蔽があったことが次々に明るみに出
た。プルサーマルも、いつ開始できるか分からなくなってしまったので
す。

 電力会社と経済産業省は「これはリサイクルです」と言う。しかし、
本音は原発の貯蔵プールで溢れそうになっている使用済み核燃料を、ど
こか違う所に運び出す口実が欲しいだけなんですよ。そもそも、ウラン
とプルトニウムを混ぜたらどのぐらいのウランを節約できるかといった
ら、せいぜい1割程度のものなんです。そのために、何兆円もの
税金を投入して再処理工場を作り、さらに莫大な税金を投入して
MOX燃料を作るための工場を作ってプルサーマルをやる、その結果はウ
ランの節約が1割だけ。国策としては、あまりにもばかげている。

“敗戦処理”を延々と続けるだけの原子力政策

NBO 原子力政策への国民の不信感はピークに達していますね。

河野 メディアにも問題があるんですよ。こうした問題が一切報道され
ないじゃないですか。在京のテレビ、新聞、週刊誌がこの問題を取り上
げようとしたら、電力会社から「スポンサーを降りる」と圧力をかけら
れたなんて話がごろごろしている。この政策に対する批判が封じられて
いるのです。
 経産省にしても、「なぜ、プルサーマルをやるのか」を説明するため
の資料を作っているのですが、貯蔵プールが満杯になりそうで困ってい
るという点には一切触れていない。本音を覆い隠しているわけです。
 要するにこういうことです。使用済み核燃料がプールで溢れそうだ。
じゃあ、再処理してプルトニウムをジャカジャカ作ろう。だけど、作っ
たプルトニウムの使い道はない。ならば、プルサーマルをやって無理に
でも使ってしまおう、と。
 「核燃料サイクル」は本来プルトニウムを高速増殖炉で燃やすことを
言うんです。それが50年先の話になってしまったので、プルサー
マルが核燃料サイクルだと言い始めた。もともとそんなものは原子力計
画に入っていなかったのに、それがあたかも本線であるかのような説明
にすり替えている。日本の原子力政策は、“敗戦処理”を延々と繰り返
しているようなものなのです。

経産省と電力会社は国民に真実を語れ

NBO では、どうすることがベストなのでしょうか?

河野 2050年までに高速増殖炉ができるかどうか分からないのだ
から、少なくとも使用済み核燃料からプルトニウムを取り出さずに、そ
のまま置いておけばいいんですよ。
 プルトニウムは核爆弾の材料にもなる。放射性物質としては、比較的
取り扱いやすいので、テロリストが持ち運ぶのにも便利な物質なので
す。そんな危険な物質を使い道もないのに取り出す必要が本当にあるん
ですか。そうだと言うのなら、「使用済み核燃料で貯蔵プールが満杯に
なってしまう。この問題を解消しないと原子力発電所が止まり、電力の
供給が止まってしまいます」と、国民に対してはっきり言うべきですよ。
 使用済み核燃料で貯蔵プールが満杯になる原子力発電所と、まだ空い
ている原子力発電所があるので、その間で融通する。そうすれば、六ヶ
所村の再処理工場に持ち込まなくても、何年か先までは何とかなる。

 青森県には事情を話して、「プルトニウムを取り出す必要がないので
再処理はしないけれども、再処理工場の貯蔵プールを使わせてくださ
い。責任を持って片づけます」とお願いすべきです。青森県からすれ
ば、「国と約束したことが何回ホゴにされたか分からん」と怒り心頭で
すよ。国に対する不信感は相当なものです。だからこそ、国は真実を明
らかにして、きちんと説明するしかない。

NBO しかし、エネルギー需要の多くを原子力発電に依存していること
は、目を背けることのできない現実です。

河野 もちろんです。もう何十年も原子力発電をやってきたのですか
ら、かなりの量の使用済み核燃料が貯まっています。使用済み核燃料か
らプルトニウムを取り出す際に出る「高レベル放射性廃棄物」はまさ
に“最終ゴミ”です。これが東洋町で騒ぎになったものです。
 原子力発電のゴミはこれからも出続けます。これは、現実問題として
何とかしなければならない。これからも原子力発電所を増やすというな
ら、ゴミの処理先を決めてからでないと認めないというふうにしなけれ
ばいけない。原子力発電所を止めてでもゴミ問題を先に解決しなければ
大変なことになります。
 最終処分場は、地下数百メートルを掘って100年から300
年も管理する必要がある。その後は永久に人間社会から隔絶する。原子
力発電が始まってから数十年しか経っていないのに、ものすごく大きな
負荷をこれからの世代に何代にもわたって負わせることになる。極端な
ことを言えば、最終処分場を誘致してくれる所は国の“天領”にして、
その住民には「永久に所得税を免除します」とか、それぐらいのことを
やらないといけないのかもしれませんよ。

エネルギー政策の抜本的な方向転換で世界をリードせよ

NBO 原子力政策は隘路に入り込んでいますね。どうすれば抜け出せます
か?

河野 無用な核ゴミを量産するために何兆円もの税金を使うことをやめ
て、太陽光や風力、水力、バイオマス(生物資源)などの「再生可能エ
ネルギー」の研究開発につぎ込むべきです。「コストが高い」などとい
う批判は、電力会社や経産省、族議員が原子力発電の権益を守るために
極端に悪く言っているだけのことなんです。
 再生可能エネルギーなら、技術やプラントを海外に輸出できます。地
球への負荷も軽い。日本はもっと再生可能エネルギーにカネをかけて、
それで先端を走って、海外に輸出して、地球環境を守っていく。そうい
うスキームを描くべきです。
 そろそろエネルギー政策の方向転換をしなければいけない。もちろ
ん、「明日、原子炉を止めろ」とは言えません。しかし思い切って、
「再生可能エネルギーに特化して、大胆な目標を立てて、そっちにシフ
トしよう」というふうに変えていかなければいけないと思うんです。こ
れは、新しい産業を作り出す挑戦です。もう、ドイツやデンマークは
ひっちゃきになってやっていますよ。
 エネルギー政策で、日本は先端を走っているのではなくて、世界に大
きな後れを取っているのです。


河野 太郎(こうの・たろう)氏
衆議院議員
1963年1月生まれ、85年米ジョージタウン大学卒、
86年富士ゼロックス入社、93年日本端子入社、96年衆院選
初当選、2002年総務大臣政務官、2003年自民党環境部会
長、2004年自民党副幹事長、2005年法務副大臣、
2006年自民党政調副会長

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みどりのテーブル http://www.greens.gr.jp/
川田龍平を応援する会 http://ryuheikawada.jp/

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