【原発震災】女川原発(宮城県)再稼働 3・11以降反対意見増える(11月の町長選・町議選が分け目)

河北新報 2015年02月19日木曜日
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201502/20150219_13008.html

<女川原発>再稼働 町民の賛否割れる
3・11以降反対意見増える(11月の町長選・町議選が分け目)
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 東日本大震災後に運転を停止している東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の再稼働について、女川町民の間では賛成が反対をやや上回るものの賛否が割れていることが、河北新報社などが実施した住民アンケートで分かった。賛成の理由は町の財政や地域経済の活性化が7割近くに達し、反対の理由は事故への不安が最も多かった。

◎肯定39.1% 否定34.6%
 再稼働に「賛成」は19.1%、「どちらかと言えば賛成」は20.0%で、計39.1%が肯定的にみていた。否定的なのは「反対」18.6%、「どちらかと言えば反対」16.0%で計34.6%。「どちらとも言えない・分からない」は26.3%だった。
 男女別でみると、男性は肯定的な回答が53.3%と否定的な29.8%の2倍に上った。一方で女性は、否定派が38.2%と肯定派の28.0%を上回った。
 賛成の理由は「町の財政や地域経済活性化のため」が68.4%と圧倒的に多かった。「電力不足になるのが心配」(14.0%)「原発が動かないと電気料金が高くなる」(6.6%)「地球温暖化防止に役立つ」(3.7%)と続いた。
 反対の理由は「事故が心配」が52.1%を占め、「福島第1原発事故の原因究明が不十分」(12.4%)「安全対策が不十分」(11.6%)「使用済み核燃料の処理方法が確立されていない」(7.4%)の順。「その他」(14.9%)には「スムーズに逃げることのできる避難道がない」と指摘する声もあった。
 「どちらとも言えない・分からない」と答えた人には「地域への経済効果を考えれば原発が動いてくれないと困るが、福島の事故を見てから恐ろしくなった」(50代女性)といったように、判断を迷っている住民が少なくなかった。
 東北電は女川原発2号機について、2016年4月以降の再稼働を目指している。原子力規制委員会は、再稼働の前提となる新規制基準の適合性審査(安全審査)を進めている。
 [調査の方法]2月4~18日、河北新報社と三陸河北新報社の記者が女川町の住宅や仮設住宅、事業所などで、住民から主に面談形式で聞き取った。町人口の5%に当たる10代~80代の350人(男性154人、女性196人)から回答を得た。

<女川原発>再稼働賛否 震災後の民意多様化
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201502/20150219_13007.html

 【解説】女川原発の立地自治体の一つ、宮城県女川町の住民アンケートでは再稼働をめぐり、賛否がほぼ拮抗(きっこう)した。判断を迷っている住民も多く、「原発城下町」として長年共存してきた町の民意が、東日本大震災をきっかけに多様化していることをうかがわせた。
 調査では福島第1原発事故後、それまでの原発容認から反対に考えが変わったという住民が少なくなかった。その一方、震災で壊滅的被害を受けた町の復興状況を合併市の石巻市と比較し、「合併していない女川は復興が早い。原発があったから合併しないで済んだ」と恩恵を認める住民もいた。
 東北電力は、現在進められている原子力規制委員会の安全審査後、再稼働に向けて「地元合意」の手続きに入る見通し。賛否表明を求められる女川町は11月、判断に深く関わる町長、町議がともに任期満了を迎える。
 復興途上の町にとって選挙戦の焦点は再稼働だけではないが、大きな争点となることは間違いない。住民の意思も分かれる中、民意をどう捉え、自身の態度を示すのか。再稼働の鍵を握る女川の動向は周辺の市町も注視している。(石巻総局・丹野綾子)

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