ILC誘致を考える会2018年9月8日~日本学術会議へ意見書を提出

日本学術会議へ意見書を提出(平成30年9月18日 一関市役所 記者クラブにて会見)

平成30年9月8日
日本学術会議 委員長 家 泰弘 様

ILC誘致を考える会
共同代表 岩手県一関市
千坂 げんぽう、原田 徹郎

送り状
 初秋を迎えても暑い日が続きますが、家様におかれましては、日本学術会議ILC検討委員会の為にお仕事を邁進されていることと存じます。
 さて、国際リニアコライダー(ILC)計画の誘致について、私たち地元住民は昨年から講演会を開催し、問題点を討議してきました。そこで寄せられた意見を意見書の形でまとめましたのでお送り致します。
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1、意見書
(趣旨)
国際リニアコライダー(ILC)の誘致、立地、建設について一関市においては何度となくメリット、デメリットを公開していただくようにお願いしましたが、メリットだけが市民に説明されてきました。
こうした中、私たちは一関市長に対して公開質問状を提出いたしましたが、市民の代表としての立場での回答は得られていません。
このように十分な情報が住民に伝えられないまま看過していると、私たち住民がILCに賛成していると思われかねません。そこで私たちの不安をまとめてお送りした次第です。
よろしくお願い申し上げます。

添付資料

意見書

はじめに
 貴日本学術会議が、文部科学省からの依頼を受け、国際リニアコライダー計画について審議なさっていますが、候補地住民の多くが情報不足に不安の念を持っていることも考慮して審議なさるようお願い申し上げます。そのため住民の意見をまとめてお送りいたしました。

住民が問題と考えている点

1.住民に対して、情報が伝えられていないこと。

 ILCの科学的意義と地域おこしになるというメリットの説明だけが県民、市民に伝えられ、しかも出前授業を行うなど子どもたちに対してもILC誘致による経済効果を教え込ませようとしています。
平成30年2月、文部科学省が依頼し野村総研より提出された「ILCの規制とリスクについて」の調査概要報告について、リスクが明確に記されているのに、県、市は県民・市民には全く情報を知らせていません。
何度となく情報公開をお願いしてきましたが、いまだに知らされていません。このままでは、住民はILCのリスクについて知らないまま誘致を同意したことになりかねず、他地域のみならず将来世代に対しても迷惑をかけることになります。
今までの県、市の姿勢は「知らしめず寄らしむべし」といったパターナリズム(父権主義)で、このまま国内候補地に選定されることは将来に大きな禍根を残す事になります。

2.実験の過程と生成物の安全性についての不安が説明されていないこと。

 当初は宇宙創生時に近い情況を作り出し、重質量の新粒子の発生を捕捉することを目指すと説明していました。その後、目的を変更してヒッグス粒子のクリーンな計測に変えたとの説明がありました。それでも実験の過程と生成物自体の環境への安全性が保障されているとは言いきれないと住民は考えています。これに対し、一関市長は、公開質問状提出時、一関市議会での答弁回答ではリスクは考えられないと発言しています。(資料参照)
 一関市では、原発事故の放射性プルームが流れてきた時、雨が降り放射性汚染の被害が大きく、いまだにシイタケや山菜が出荷できないでいます。したがって放射能施設に対して敏感にならざるを得ないのですが、この面の危険性と対策について県と市は真剣に語ろうとはしていません。
 このような危険性を考慮せず、新粒子の生成を当初の目的としたILCを、その目的を変更してまで巨額の予算を使ってまで建設・運用する必要がどこにあるのか、地元住民に十分に説明されていません。

3.震災復興途上の岩手県にILC計画を実行に移す財政的余力があるとは思えないこと。

 福島原発事故は消息していません。東日本大震災から7年半がすぎましたが、復興は思うように進んでいません。その上、大きな災害が頻発しています。このような情況下、巨大プロジェクトに巨額資金を費やすことが出来るのでしょうか。
 ILCのトンネルは当初距離が30㎞で建設に約1兆円とされていました。ところが国の財政難で、この金額では国は難色を示すだろうと考えたのでしょうか、研究者は予算を削減して国の認可を取り付けようとしました。
トンネルが20㎞に短縮されても8千億円の膨大な金額拠出が想定されています。岩手県のILC推進課によるとランニングコストが毎年500億円とのことです。東日本大震災の復興途上の岩手県や一関市にとって、ILCは被災地復興に優先する事業とは思えません。住民は巨大プロジェクトにともなう一部負担に耐えうる財政状況に県や市はないと考えています。ILC誘致で県民市民の暮らしが壊されることのないよう願っています。

4.膨大な電力供給は原発再稼働の口実になることの不安。

 ILCの運転には約16万キロワットの電力が必要とされています。したがって、ILC計画では女川原発の再稼働の理由にされかねません。
ILCのよって原発事故による危険性が増すことは、岩手県のみならず宮城県を含む東北一帯の住民にとって大きな懸念材料となるでしょう。

5.自然環境破壊と実験終了後の利用形態への不安。
 ILCの建設中と実験中にも、農地、水系などの生態系の破壊と健康被害を発生させる危険が考えられます。また、実験終了後に残される20㎞のトンネルは、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の通路などに転用される危険性を否定できません。
特に、岩手県や一関市が純粋に科学的意義を強調し文部科学省予算を獲得しようとする努力よりも、省庁横断的に、即ち内閣の関与を期待してまでも巨大プロジェクトを誘致したいとしていることに強い危惧の念を抱かざるを得ません。

6.現ILC計画は、巨額予算を費やしても遂行するに値する国家的学術的意義があるのでしょうか。

 全国的な人口減少の波は岩手県でも顕著です。その危機感から住民の一部にはILCによる経済効果を期待する人もいます。私たちの会員の中にも、今年開催した講演会まではILC誘致に賛成だった人もいます。これも県や市がメリットだけを説明してきたからです。
 私たちは未熟ながら学習を重ね、ILC計画誘致に対する疑念を率直にまとめて提出する事にしました。
 現段階では、ILC事業のデメリットが県民、市民に十分に伝えられないまま、県や市の提案だけが貴日本学術会議に取り上げられることになることを危惧しての行動です。
県、市と住民が一体としてILC誘致に取り組んでいるのではないことをご理解の上、検証していただくようお願い申しあげます。
以上

資料
①国際リニアコラーダー誘致に関する問題点と公開質問状
②ILCに関する再質問状
③放射能問題
④子供達を利用して開催されている講演会

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