ILC誘致 政府見解・国民への「刷り込み報道」か?曖昧さによる混乱か?

2019年3月7日 文部科学省 磯谷桂介研究振興局長による、「国際リニアコライダー(ILC)」に関する政府見解の正式発表を受けて、その前日2019年3月6日 産経新聞が政府の正式見解が出る前の日にフライングで報道した内容との差。そして、正式発表後の岩手県内のニュース報道。

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捻じ曲げられた、国民への「刷り込み報道」ではないか?
(あるいは、文部科学省のあいまいな態度が、報道を混乱させているのか?)
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産経新聞2019年3月6日 「次世代加速器ILC誘致検討 政府、米欧と国際協議へ」 【要旨】
【目的】産経新聞の記事中の政府見解に関する部分を抜き出して、2019年3月7日の政府正式見解と比較
【疑問1】政府見解の正式発表前にどうしてこれだけのことを断定的に書けるのか?
【疑問2】政府の正式見解を受けて、岩手県へのインタビューや、岩手放送(IBC)などの報道は、政府の正式見解よりも、この産経新聞のフライング報道に似た見解での報道になるのか?報道が刷り込みされている?
    
・政府は国内に建設を誘致する可能性を検討するため、米欧との国際協議に入る方針を固めた。
・政府がILCについて方針を明らかにするのは初めて。
・今回の政府方針は誘致の意思表示ではないが、前向きな姿勢を示すものといえる。
・政府は早期に検討を進めるため省庁横断の連携態勢を整備。米欧とILCの運営や組織の在り方などの意見交換から開始する。
・総額8千億円に上る建設費の分担についても各国の基本的な考え方を確認。
・誘致に対する態度は平成32年度にも正式決定する見通しで、誘致を目指す場合は具体的な協議に移行する。
・政府は科学技術への幅広い波及効果や教育効果、東北地方の復興につながる経済効果を重視したとみられる。
・政府は誘致を真剣に検討する意思があることを米欧に示す。


2019年3月7日
「国際リニアコライダー(ILC)」に関する政府見解 【要旨】

・ILC計画については、現時点で日本誘致の表明には至らないが、国内の科学コミュニティの理解・支持を得られるかどうかも含め、正式な学術プロセス(日本学術会議が策定するマスタープラン)で議論することが必要であると考えます。
・併せて、国外においても、欧州素粒子物理戦略等における議論の進捗(しんちょく)を注視することとします。
・素粒子物理学におけるヒッグス粒子の精密測定の重要性に関する一定の学術的意義を有するとともに、ILC計画がもたらす技術的研究の推進や立地地域への効果の可能性に鑑み、文部科学省はILC計画に関心を持って国際的な意見交換を継続します。


2019年3月6日 産経新聞 記事「次世代加速器ILC誘致検討 政府、米欧と国際協議へ」 【全文】

 宇宙の成り立ちを探る次世代加速器「国際リニアコライダー(ILC)」という巨大実験施設について、政府は国内に建設を誘致する可能性を検討するため、米欧との国際協議に入る方針を固めた。東京都内で7日に開かれる国際会議で所管の文部科学省が表明する。政府がILCについて方針を明らかにするのは初めて。
 ILCは、日米欧などの物理学者が岩手・宮城両県にまたがる北上山地への建設構想を進めている。今回の政府方針は誘致の意思表示ではないが、前向きな姿勢を示すものといえる。
 政府は早期に検討を進めるため省庁横断の連携態勢を整備。米欧とILCの運営や組織の在り方などの意見交換から開始する。総額8千億円に上る建設費の分担についても各国の基本的な考え方を確認。誘致に対する態度は平成32年度にも正式決定する見通しで、誘致を目指す場合は具体的な協議に移行する。
 ILC構想をめぐっては文科省の依頼で審議した日本学術会議が昨年12月、実験の科学的な意義を認める一方、巨額の建設費を問題視し「現時点で誘致を支持するには至らない」との見解を示していた。だが、政府は科学技術への幅広い波及効果や教育効果、東北地方の復興につながる経済効果を重視したとみられる。
 建設実現を目指す物理学者らが、誘致に前向きな姿勢を早期に表明するよう求めていた。政府は誘致を真剣に検討する意思があることを米欧に示す。
 ILCは全長20キロのトンネル内で、粒子をほぼ光速に加速し衝突させ宇宙誕生直後の超高温状態を再現。万物に重さを与える素粒子のヒッグス粒子を作って性質を調べ宇宙の成り立ちを探る。物理学の新たな理論につながるノーベル賞級の成果が期待されている。


2019年3月7日 

文部科学省 磯谷桂介研究振興局長
「国際リニアコライダー(ILC)」に関する政府見解 【全文】

 本日のリニアコライダー国際推進委員会開催にあたり、本レターを送付できることは大変光栄です。
 国際リニアコライダー(ILC)計画は、国際的な研究者組織において検討が進められてきた素粒子物理学分野における学術の大型プロジェクトであると承知しています。
 これまで我が国においては、ILC計画について、我が国の科学コミュニティの代表機関である日本学術会議における「国際リニアコライダー計画に関する所見(2013年9月)」を契機として、文部科学省において「国際リニアコライダー(ILC)に関する有識者会議」を設置し、科学的意義、コスト及び技術的成立性、人材の確保・育成方策、体制及びマネジメントの在り方等の観点から、検証を進めてきました。
 2017年11月には、ILCに関する国際的な研究者組織において、欧州CERNにおけるLHC実験を踏まえて、ILCの衝突エネルギーを500ギガ電子ボルトから250ギガ電子ボルトとする見直し案(250ギガ電子ボルトILC計画)が公表されました。
 これを受けて、有識者会議においてILC計画について改めて検証を行い、2018年7月に「ILC計画の見直しを受けたこれまでの議論のまとめ」を取りまとめ、計画の全体像を可能な限り明確に示した上で、日本学術会議に対して、ILC計画について改めて審議を依頼しました。
 2018年12月には、日本学術会議より文部科学省への回答として「国際リニアコライダー計画の見直し案に関する所見」が取りまとめられ、「政府における、ILCの日本誘致の意思表明に関する判断は慎重になされるべきであると考える」とされました。
 文部科学省においては、同所見の内容を精査しつつ、ILCに関する意義や効果について、学術的な観点のみならず、関係省庁とも連絡を密にして意見を聴取し、検討を行いました。

 ここに現時点のILC計画に関する見解を述べます。
 国際リニアコライダー(ILC)に関する有識者会議による「ILC計画の見直しを受けたこれまでの議論のまとめ」を受け、日本学術会議が審議を行い公表した「国際リニアコライダー計画の見直し案に関する所見」において、「現状で提示されている計画内容や準備状況から判断して、250ギガ電子ボルトILC計画を日本に誘致することを日本学術会議として支持するには至らない」「大型計画について学術会議として更に検討するとすれば、マスタープランの枠組みで行うのが適切」とされたことを踏まえ、ILC計画については、現時点で日本誘致の表明には至らないが、国内の科学コミュニティの理解・支持を得られるかどうかも含め、正式な学術プロセス(日本学術会議が策定するマスタープラン)で議論することが必要であると考えます。
 併せて、国外においても、欧州素粒子物理戦略等における議論の進捗(しんちょく)を注視することとします。
 また、ILC計画については、日本学術会議の所見において、諸分野の学術コミュニティとの対話の不足、成果が経費に見合うか、技術的課題の克服、実験施設の巨大化を前提とする研究スタイルの持続性といった懸念が指摘されている一方、素粒子物理学におけるヒッグス粒子の精密測定の重要性に関する一定の学術的意義を有するとともに、ILC計画がもたらす技術的研究の推進や立地地域への効果の可能性に鑑み、文部科学省はILC計画に関心を持って国際的な意見交換を継続します。


2019年3月7日夕方のテレビニュース IBC TVI
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日本誘致表明には至らず(こちらの文字がちっちゃい)
ILC「国際的意見交換を継続する」(こっちの文字はでっかい)

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漫画週刊誌「モーニング」会長 島耕作
『ILC誘致を考える会(一関)』を『ILCを考える市民会議』と掲載
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