【ILC誘致に関する公開質問状】岩手県議選・一関選挙区立候補予定者6人へ

【ILC誘致に関する公開質問状】岩手県議選・一関選挙区立候補予定者6人から回答などを受け取り、まとめたものを各立候補者6人と記者クラブの方へ送られた。
その文書を手に入れたのでこのブログに掲載させていただきます。今回の県議選の投票行動の参考にされるかどうかは、これを読まれるみなさまでご判断いただきたい。

公開質問状の表題は「ILC誘致に関する公開質問状への回答依頼について」質問は5つ

質問(1)未だに県や市当局主導で学校現場の児童・生徒までを動員してのメリット宣伝が一方的に行われています。貴候補は、この現状を以って、住民合意は得られていると判断されているのでしょうか。
質問(2)「トリチウムを中心とした大量の放射性物質の生成と汚染対策に問題はない」、との説明が繰り返されています。貴候補は、正式には場所も未定、プラント設計も未だなされていない現段階での県行政の姿勢としてこの問題はないとお考えでしょうか。
質問(3)「学園都市構想や産学官連携による産業育成は飛躍的に促進される」と宣伝されています。しかし、文科省に設置された専門家会議やその後発表された日本学術会議の報告は、それぞれ真逆の内容となっています。貴候補は、この学術会議の報告は信用できないとの立場でしょうか。
質問(4)仮にILC構想に学術的価値が大きいとしても、そこに生活している住民の安全が第一に考慮されるべきと考えます。特に一部の素粒子物理学界の方々の専門外の分野での一方的な安全宣言に不安を感じます。そこで地質学や地震学会などの専門家による調査・検討を岩手県行政の責任として、独自に行うことが必要と考えますが、貴候補のお考えを伺います。
質問(5)トンネル掘削に伴う大量の土砂処理、地下水への影響、プラント稼働に伴う気化した放射性物質や放射線による負荷、事故発生時の何重もの対策が必要です。しかし、県行政は推進一辺倒で、これら環境行政からチェックがほとんどなされないまま維持・推進している現状を改善するべきと考えます。貴候補のご意見を伺います。

これを提出したのは「ILC誘致を考える会(一関市)」

経過は以下の通り

ILC誘致を考える会(一関市)は2019年8月8日付で岩手県議会議員・一関選挙区立候補予定者の6人の方へ「ILC誘致に関する公開質問状への回答依頼について」を送付することを同日、一関市民センター(なのはなプラザ)研修室にて記者クラブに呼び掛けて記者会見を開いた(各社が、これを記事にしたかどうか、どのように報道したかは確認していません)
この日8/8、ILC誘致を考える会は、記者会見の前に講演会「一関の地域おこしと自然環境」を開催し、3氏が講演と報告を行った。講演:千坂げんぽう氏【「久保川イーハトーブ世界」を活かした自然再生事業】、講演:山下祐介氏(首都大学東京 教授)【「原発被災地の地域おこし」から見えてくる一関の自然】、報告:菅野成寛氏(平泉釈尊院住職)【北上高地の自然と巨大プロジェクトの関わり】
私は、講演会の様子~記者会見の様子をビデオに撮らせていただいた。

この会の会則を手に入れていますので、その目的を参考に書き出します。
【参考】ILC誘致を考える会会則(目的)第3条
 本会は、国際リニアコライダー(ILC)の北上高地への誘致について、岩手県民の立場に立ち、その長所と短所の両面を学び懸念を払しょくするため、誘致を推進する団体等から公開された回答を得ていく。特に、環境悪化・放射化・核のゴミの最終処分場への転用などの方針変更など子ども達に負の遺産を残さぬようにする。取り組みに当たっては、賛成派と反対派で地域が二分することの無いことを旨とし、地域づくりについても学習を深め可能な提言をする。

岩手県議会議員候補者6人の方への「ILC誘致に関する公開質問への回答の御礼」2019年8月22日議員候補者への御礼など1.jpg

一関記者クラブへの報告「ILC誘致に関する公開質問への回答について」2019年8月23日議員候補者への御礼など2.jpg

岩手県議会議員選挙・一関選挙区から立候補を表明されている6人の方からの回答まとめ
「ILC誘致に関する公開質問状への回答について」2019年8月21日(全5ページ)公開質問状の回答1.jpg公開質問状の回答2.jpg公開質問状の回答3.jpg公開質問状の回答4.jpg公開質問状の回答5.jpg

6人の方からの回答(原文)あいうえお順

飯澤 匡さん[ILC公開質問状回答書]原文1.jpg[ILC公開質問状回答書]原文2.jpg

岩渕 誠さん[ILC公開質問状回答書]原文3.jpg[ILC公開質問状回答書]原文4.jpg

神崎 浩之さん[ILC公開質問状回答書]原文5_0000.jpg

佐々木 朋和さん[ILC公開質問状回答書]原文6.jpg

高田 一郎さん[ILC公開質問状回答書]原文7.jpg[ILC公開質問状回答書]原文8.jpg

千葉 進さん[ILC公開質問状回答書]原文9.jpg

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岩手県議会議員選挙・一関選挙区から立候補を表明されている6人の方からの回答まとめ(再掲)

2019年8月21日
ILC誘致に関する公開質問状への回答について
 ILC誘致を考える会
  共同代表 千坂げんぽう・原田 徹郎

当会は、9月8日投票の岩手県議会議員選挙に立候補を表明している6人(飯澤 匡さん、岩渕 誠さん、神崎 浩之さん、佐々木 朋和さん、高田 一郎さん、千葉 進さん)に公開質問状を送付していましたが、6人からの回答が揃いました。結果的には、5人からの回答と1人からの直接は回答しないという報告になります。

質問事項
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質問(1) 未だに県や市当局主導で学校現場の児童・生徒までを動員してのメリット宣伝が一方的に行われています。貴候補は、この現状を以って、住民合意は得られていると判断されているのでしょうか。

飯澤 匡さん:この現状を以って住民合意が得られているかとの問いですが、①児童・生徒までを動員していることに住民合意を得られているのか、②メリット宣伝が一方的に行われていると貴殿が判断されILCへの住民合意がされているのか、の2通りの解釈がされると思いますので各々について回答します。
①ILCは県・市とも重要な政策課題と位置付けており、それぞれの執行機関が執行権の範囲内で教育委員会はじめ教育機関と連携して行っているものと判断します。
②ILC実験装置を設置し稼働するまではこれからも多くの手続きが必要となります。現在はその実現へ向けての過程にあります。設問で問われている住民合意がどの時点のものを指すのか測りかねますが、県ではILC施設の安全管理対策に関しても最近は情報発信をしており、メリットのみを強調しているとは認識していません。住民合意に関しては段階に応じて行政が適正的確に行う必要性は言うまでもありません。

岩渕 誠さん: 貴団体など、ILCに対する疑問点を表明する方々もいることは承知いたしております。何をもって、どこまでの賛意をもって住民合意とするかは難しいところですが、疑問点などに対してのリスクコミュニケーションなどは当然行われるべきであり、そうした経過を踏まえて合意形成がなされていくべきものと考えております。

神崎 浩之さん:メリット宣伝は多く発信されている一方、デメリットについては私の周りでは発信されておりません。住民の皆様からの「デメリット」についてのお話は、私のところにはほとんど寄せられず、逆に「推進の声」が多く、大方の住民合意は得られていると判断しております。

佐々木 朋和さん:現在ILC誘致計画は国が関心を示した段階であり、正式な国のプロジェクトとなっていない。加速器の詳細設計や地域のグランドデザインも決定しておらず、国の環境調査も行っていない。住民合意は詳細設計が上がり、国による環境調査が行われ、砂鉄川への排水に関するルール等住民との合意文書が交わされる事で住民合意となると考える。
高田 一郎さん:ILC誘致に対する疑問や不安の声がでています。地域説明会も回数が少ないので多くの市民は、いまだよくわからないという状況であり、決して住民の理解が得られている現状にはないと考えます。

千葉 進さん:貴会からご要請がありました表記質問ですが、熟慮の結果、下記のように報告(回答ではありません)させていただきますので、ご了解いただきたいと思います。
【報告】公開質問状への直接の回答はいたしません。
〔理由〕
 1.「依頼状」には、回答をどのような目的を持って、どのように公表するのか書かれていない。
 2.「依頼状」の中に「一方的な誘致推進」との部分があるが、5項目の質問事項を見ると、同様に一方的な見方による質問内容となっており、二者択一でしか回答ができないようになっている。
 3.より幅広い意見を集約し、危惧されることは条件付きで合意の上「希望郷いわて」を実現する努力をしていきたい。

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質問(2)「トリチウムを中心とした大量の放射性物質の生成と汚染対策に問題はない」、との説明が繰り返されています。貴候補は、正式には場所も未定、プラント設計も未だなされていない現段階での県行政の姿勢としてこの問題はないとお考えでしょうか。

飯澤 匡さん:貴殿の「問題ないという説明が繰り返されている」というご指摘には事実関係を調査する必要があると思います。今日まで・ビームダンプ水は排水しない・限られた装置室の中で循環して運用し、増え続けることはない(最大で100トン)の2点の基本的な安全対策は私も確認しています。詳細設計がさらに明らかになる中で十分に検討することは必要です。その上で科学的根拠に基づいた共通理解を図ることが重要と考えます。

岩渕 誠さん:実験に伴い、放射性物質が生成されるという事実は承知しています。また、これに対して相応の処置を施し研究施設外への漏出などに万全を期すとの、科学者側の考えも見聞いたしております。同様に、貴団体のご指摘の不安もあることと理解します。県としては科学者の見解をもとに問題がないとしていると私は認識していますが、福島原発事故での当地の被害と苦労に鑑み、誘致が実現し、プラント設計の段階において、さらに詳細な検討がなされるべきものと考えます。

神崎 浩之さん:住民の皆様が安心して研究を見守っていけるよう、県行政として、専門的な見地からの研究や、住民の皆様への情報提供をどんどん行い対応すべきと考えます。

佐々木 朋和さん:ビームダンプ水は、砂鉄川に放流せず閉じ込めると聞いているが、保守点検時に基準値以下で流すかのような表現が、質問への回答にあり不安を煽っている。例えND(不検出)であっても砂鉄川への放射性物質の意図的な放流は住民感情として認められない。県にはその点を科学者コミュニティーヘ明示し、詳細設計にその点を盛り込むよう強く要望し担保した上で、住民へ説明すべきと考える。

高田 一郎さん:昨年2月のリスク報告書(野村総研)、7月の専門会議最終報告書には、課題が具体的に指摘され、住民に不安が広がりました。建設予定地とされる地元にとって最大の不安は、飲料水の安全です。私は、地元住民の要請により昨年秋、県庁でKEK担当教授2人を含む専門家から責任ある説明を受け、記者会見もおこないました。今後は、これら報告書の指摘ひとつひとつについての検証が必要と考えます。

千葉 進さん:【報告】公開質問状への直接の回答はいたしません。

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質問(3) 「学園都市構想や産学官連携による産業育成は飛躍的に促進される」と宣伝されています。しかし、文科省に設置された専門家会議やその後発表された日本学術会議の報告は、それぞれ真逆の内容となっています。貴候補は、この学術会議の報告は信用できないとの立場でしょうか。

飯澤 匡さん:日本学術会議の報告が信用できるかどうかが問題の要諦ではなくて、正にこれからILC実現が高まる中で、最先端科学の実験装置が稼働し研究成果の応用が現地でいかに展開させていくのかは地域への命題でもあり、環境との調和を重視する21世紀にふさわしい学園都市形成や地域の一次産業を巻き込んだ産業連携を我々が創造していくことが重要と考えます。シリコンバレー形成の先進事例等を参照し研究を進めることが必要です。

岩渕 誠さん:学術会議の報告内容については、東経連と一部異なった内容であることは承知をしています。どのデータをもとに議論されたものであるか不明であることから、学術会議の報告内容については判断に窮しているところです。また、学術会議の座長は、従前よりILC反対を明言しており、任命した文科省の見識とあわせて中立的議論が担保されたのか、また政治的背景はなかったのかについては疑問を持っているところです。

神崎 浩之さん: 議論の背景や全容が把握できずコメントしかねます。

佐々木 朋和さん:私も議会派遣でスイスのCERNへ視察に行ってきた。確かにCERN一帯はヨーロッパで最も給与、物価も高く、産業集積も進んでいる地域であるが、地元市長からのヒアリングによると、研究所の誘致で全てが成ったわけではなく、国や自治体の連動した産業振興策、努力があればこそという話であった。日本学術会議の見解はその事を表現しているという認識である。

高田 一郎さん:文科省の専門家会議の最終報告、それを受けての日本学術会議報告書は、学術的意義を認めたものの「現時点では支持しない」という報告をしました。これらの報告を基調とした対応が必要と考えます。

千葉 進さん【報告】公開質問状への直接の回答はいたしません。

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質問(4) 仮にILC構想に学術的価値が大きいとしても、そこに生活している住民の安全が第一に考慮されるべきと考えます。特に一部の素粒子物理学界の方々の専門外の分野での一方的な安全宣言に不安を感じます。そこで地質学や地震学会などの専門家による調査・検討を岩手県行政の責任として、独自に行うことが必要と考えますが、貴候補のお考えを伺います。

飯澤 匡さん:住民の安全が第一に考慮されるのは当然です。これまでも海外の先研究施設のCERNやSLAC、DESYといった大型加速器を使用して研究施設を整備し、住民と理解を進めた事例を参考にすべきです。我が国と決定的に条件が異なるのは地震耐用であり、地質調査や地震耐用設計に関しては県と国、関係機関が連携して総合的に実施し、正確な情報を住民に開示すべきと考えます。

岩渕 誠さん:貴団体が指摘するように、住民生活が根底から奪われることを前提とした学術的価値はなく、当然、リスクコミュニケーションがとられるべきものと考えています。影響などについては当然評価をされるべきものと思いますが、一義的にはILCの建設主体である学術機関、または国の責任において、多方面から検証されるべきものと考えています。

神崎 浩之さん:たいへん重要な事で、しかも専門的な内容であることをふまえ、県行政がやれるのか、また国なのか国際プロジェクトでやるべきなのか、実施主体も含め研究させてください。

佐々木 朋和さん:県においても現在、環境生活部において環境調査を行っていると認識しているが、詳細設計前段階であり、その調査の精度にも限界があり、予算も限られ十分な調査となっていない。これを県独自の予算で行うのは費用が掛かり、筋としては国の事業として行うのであるから、国の予算と責任において行うべきと考える。その上で、不安払しょくの為に必要なものはプラスして県としての調査を検討するべき。

高田 一郎さん:県は、ILC推進体制組織を改編しました。今後改編された組織では、環境に与える問題、飲料水の安全など住民の安全が第一に検討され、住民の合意を得るよう求めていきます。

千葉 進さん:【報告】公開質問状への直接の回答はいたしません。

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質問(5) トンネル掘削に伴う大量の土砂処理、地下水への影響、プラント稼働に伴う気化した放射性物質や放射線による負荷、事故発生時の何重もの対策が必要です。しかし、県行政は推進一辺倒で、これら環境行政からチェックがほとんどなされないまま維持・推進している現状を改善するべきと考えます。貴候補のご意見を伺います。

飯澤 匡さん:貴殿の「推進一辺倒という」指摘には事実関係を調査する必要があると思います。行政が住民にとって必要な情報を的確に発信し、リスクコミュニケーションを図ることは必要です。これまで私は総務常任委員会で県に対して時宜に応じた説明会の実施を求めてきました。これから安全対策をはじめ環境への影響などの説明の場は設置をされることを期待しますが、その際、科学的見地に立って双方が冷静に応対することが求められます。

岩渕 誠さん:貴団体をはじめとするILC建設に伴う疑問点の表明は、県の環境行政を行う上で、大変貴重なご意見と考えます。県としてはこうした疑問に答えるリスクコミュニケーションを十分に行う必要があると思います。また、誘致が決定しより詳細な計画が出された段階では、客観性と透明性を担保したリスク評価や諸対策について、地元自治体は積極的に関与すべきものと考えます。

神崎 浩之さん:たいへん重要な事でしかも専門的な内容であることをふまえ、県行政がやれるのか、また国なのか国際プロジェクトでやるべきなのか、実施主体も含め研究させてください。

佐々木 朋和さん:環境行政からチェック、調査は、詳細設計や位置関係が明らかになるなど事業が進捗しないと見えてこない部分がある。科学者コミュニテイーも国に対して費用面など折り合いがつかなければ撤退しても良い。現時点での推進を表明して欲しいと言っている。それは、建設自治体にも当てはまり、進捗段階で環境面に重大な影響を及ぼすとの調査結果が出れば、当然に引き返すことも視野に推進を進めるのが県、市としてのあるべき姿と思う。

高田 一郎さん:住民の不安に対する説明が十分になされているとは思っていません。ILCの学術的な意義と安全性など住民の疑問に答えるような懇談・説明会などをもっと多く実施する中で住民の声を採用する必要があります。

千葉 進さん:【報告】公開質問状への直接の回答はいたしません。

以上
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