【ILC】こんな時に、、、空気読めない「ILC アイ・ラブ・チンプンカンプン」な人たち

特集・ILC(国際リニアコライダー)を東北に-北上山地誘致実現へ
建設通信新聞 2020/4//24 4面
https://www.kensetsunews./com/archives/446386

【宇宙誕生・物質の謎に迫る】
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 宇宙誕生や物質構造の謎に迫る、次世代の直線型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の東北・北上山地への誘致実現に向けた動きが大詰めを迎えている。2019年3月に文部科学省がILC計画に対する関心を表明して以降、日本および海外で開かれたさまざまな会議で前向きな議論が行われ、ILCの建設へ着実にステップを踏んでいる。長年、ILCの技術開発や立地選定などに携わってきた吉岡正和高エネルギー加速器研究機構(KEK)名誉教授に誘致をめぐる最近の動向などを聞くとともに、東北ILC推進協議会と関係自治体の代表者に誘致実現への期待についてご寄稿いただいた。 ILCは、全長20㎞の直線型超伝導加速器を使った素粒子物理学の実験装置。地下100mに敷設したトンネルの両端から電子と陽電子を光に近い速度で発射、衝突させることで、宇宙創成の頃の状態を再現する。
 1980年代から開発研究が始まり、2004年に研究者間による国際会議で世界に1つだけ建設することで合意した。 13年8月には日本の研究者でつくるILC立地評価会議が「ILCの国内候補地として、 北上サイトを最適と評価する」との結論を公表した。
 本体建設費は約5800億円と試算されている。内訳はトンネルなどの土木建築工事費が約1300億円、加速器本体は約4500億円。日本負担分は総経費の約半分となる予定だ。
 ILCが実現すれば、アジア初の大型国際研究機関となり、世界中から数千人の研究者らが東北で暮らし、国際都市が形成されることになる。
 東北、日本のみならず、世界がILC建設の動向に注目している。

【岩手大・岩手県立大客員教授、東北大学術研究員、高エネルギー加速器研究機構(KEK)名誉教授 吉岡正和氏に聞く/欧州素粒子物理戦略がポイント】
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--東北へのILC誘致をめぐる最近の動向について
 2019年3月に文部科学省がILC計画に対する関心を表明し、ことし1月30日に日本学術会議が公表した「マスタープラン2020」に盛り込まれた。重点大型研究計画には選定されなかったが、ヒアリングの対象となり、学術的な意義は十分に理解されていると考えている。
 2月20日から米国で開かれたICFA(国際将来加速器委員会)/LCB(リニアコライダー国際推進委員会)会議には、文科省の増子宏審議官(研究振興局・高等教育政策連携担当)が出席し「関心を持って米欧との意見交換を実施する」との見解を示した。ILC推進超党派国会議員連盟の河村建夫会長からも前向きなスピーチがあった。
 これを受けてICFAは「日本にILCがタイムリーに建設されることを望む」との声明を出した。さらにICFAはILC研究所の設立および日本でのILC建設に先立って準備段階が必要であるとし、KEKをホストとする国際推進チームの立ち上げを推奨した。このように、ILC建設に向けたステップは着実に進んでいる。
--次のステップはどのようなものか
 5月の策定が見込まれていた欧州素粒子物理戦略は新型コロナウイルス発生のため公表が延期となったが、そこにILCがどのように位置付けられるかがポイントになる。ヒッグスファクトリー(ヒッグス粒子を大量に生成し得る加速器施設)が必要であることは国際的なコンセンサスを得ており、その候補として4施設が挙げられるが、詳細設計に着手しているILCが最も準備が進んでいるということに世界の衆目が一致している。同戦略でILCのプライオリティが一番になれば非常に心強い。
--ILCの役割は
 ILCは宇宙誕生の謎、物質構造の謎に迫ることができる。宇宙は約138億年前に無から生まれ、急激な膨張過程を経てビッグバン宇宙となり、38万年後にようやく電子と原子核が結合して原子が誕生した。これにより、初めて「光」が直進できるようになった。その名残が「宇宙背景放射」と呼ばれる電磁波で、その精密観測は宇宙の歴史を理解する上で重要な課題だ。光が直進できなかった38万年より以前の宇宙の姿を調べるのがILCの役割だ。
--ILC誘致の実現が東北地域、日本全体にもたらすインパクトは
 ILCなどの高エネルギー加速器は、ハイテック技術の集積体であり、大規模なスピンオフ(波及効果)が期待できる。例えば米国スタンフォード線形加速器センター(SLAC)(現SLAC国立加速器研究所)設立のスピンオフとしてシリコンバレーが生まれ、CERN(セルン・欧州原子核研究機構)からはWWW(ワールド・ワイド・ウェブ)が誕生した。同じようにILCの建設により、東北から新たなスピンオフができる可能性が高い。
 ILC誘致によってアジア初の国際機関が設置されることになる。国際機関とは人種・宗教を超えた平和の象徴であるほか、世界中から高度人材が集積する。セルンの場合職員数は約2400人だが、世界中から約1万人の研究者が集まり、周辺には数多くの関連企業が進出した。ILCでも家族を含めれば4-5万の人々が生活するまちができる。しかも一過性ではなく、50年、100年と続くだけに、経済効果は計り知れない。
 日本は少子高齢化が急速に進んでおり、人口激減から逃れることはできない。今後も安全で豊かな生活を続けるには、高度人材を増やして稼ぎを多くするしかない。世界各国から優秀な人材が集まれば、間違いなく日本の教育レベルが上がる。このような千載一遇のチャンスを逃してはいけない。
--グリーンILCとはどのような取り組みか
 ILCの建設・運用に当たって、エネルギーマネジメントにもしっかり取り組み、持続可能な施設にしようというものだ。東北は1次産業が盛んで、食料自給率が高く、森林資源も豊富だ。こうした特徴を生かして未利用バイオマスの熱利用や、太陽熱利用、ILC関連施設の木造化などに取り組むことを考えている。特に岩手県内では自然エネルギー利用の実績が多く、環境が整っていると言える。
 ILC建設をきっかけとして産学官が連携し、東北地域のエネルギー循環をさらに進めていければ良いと思う。

【東北ILC推進協議会 代表 高橋宏明/「新しい東北」の創造へ力結集】
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 ILCは、現在人類の持つ最先端技術を用いて、「宇宙誕生の謎」の解明をしようという計画です。その建設には、多額の資金が必要であり、日米欧が協力し、日本に建設することが期待されています。さらに、世界のこの分野の研究者は、ILCの建設候補地を岩手県と宮城県に跨る北上サイトとすることで合意し、国際共同科学プロジェクトとして実現しようとしております。
 ILCが実現すれば、世界の最先端の研究者が東北に集結し、 またその研究に必要な最先端技術がさまざまな分野で地域産業に導入が進みます。すなわちそれは、 「新しい東北」 の創造につながり、東日本大震災からの恒久的復興、さらに地方創生にも貢献するものと期待されます。
 これまで、わが国政府は、多額の資金負担等があり、受入れに慎重な姿勢です。しかし、去る2月20日に米国で開催されたILCに関する国際会議で、文部科学省は「関心を持って米欧との意見交換を実施する」との見解を表明しました。また、その場で、ILC推進超党派国会議員連盟の河村建夫会長は、ILC計画の意義、政治家の覚悟など、大変前向きなスピーチを行い、国際場裡で大いに好評を博しております。さらにこれを受けて、世界の研究者は同月22日に、「ILCが日本にタイムリーに建設されることを期待する」との声明を発表しました。このようにILC計画は日本誘致の実現に向けて、少しずつ前進しております。
 いまこそ世界の産学官政の力を結集して、ILCの実現に向けて取り組むべき時だ、と考えます。
 東北ILC推進協議会も、このILCの誘致実現に向けて、これからも全力を尽くす覚悟であります。

【岩手県知事 達増拓也/世界に開かれた地方創生を実現】
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 岩手県では昨年、「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」を基本目標とする「いわて県民計画(2019-2028)」を策定し、その中で新しい時代を切り拓いていくプロジェクトの1つとして「ILCプロジェクト」を掲げています。
 ILCは、全長数十㎞におよぶ直線状の地下トンネル内に建設される、衝突型加速器を用いた大規模な研究施設で、宇宙誕生の謎を解明するため、世界に1つだけ建設しようと国際協力による計画が進んでおり、強固な地盤を有する北上山地が候補地となっています。
 これまで岩手県では、建設候補地として、海外研究者等の受入環境整備やILC関連産業の振興、県内外での普及啓発活動、国民理解の増進などに取り組んできました。
 また、今後の科学技術分野を支える人材育成に向けて、県内の高校生を対象とした理工系コンテストの開催やILC推進モデル校などの取り組みも行っています。
 ILCは、アジアで初めての国際研究機関となるものであり、世界各地から多くの研究者や技術者が集まり、最先端科学を支える多様な技術も開発・運用されることから、東北で国際的なイノベーション拠点の形成等が進展します。また、世界に開かれた地方創生の実現も期待され、東日本大震災津波からの復興と日本の成長に貢献できる一大プロジェクトです。
 ILC実現に向け、全力で取り組んでまいりますので、今後とも皆さまのご支援とご協力をお願い申し上げます。

【一関市長 勝部修/子どもたちに夢と希望と誇りを】
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 私は、岩手県職員時代の1993年、当時の知事(故工藤巌氏)から国際リニアコライダーの誘致に取り組むよう指示を受けて以来、ILCの実現に向け取り組んでまいりました。
 ILCを日本で実現することは、世界最先端の科学拠点を日本がリードすることとなり、次世代を担う若者たちに夢と希望を与えるとともに、世界における日本の地位が確固たるものになると考えております。
 当市では、これまで市内中学生を対象とした「最先端科学体験研修派遣」や中高生を対象とした「ILC特別授業」、市民が研究者と気軽に語りあう「サイエンスカフェ」などの開催、産業界を対象とした「加速器技術に関する研究会」などの開催に取り組んでまいりました。また、私自身が、ILCの意義と価値などについて市民に直接お話しする市長講演を、これまで通算157回行っております。
 ILCは、当市のみならず、東北や日本の未来を大きく変える可能性を持った、さらに言えば、世界の歴史を変えるほどの大きな意義のあるプロジェクトです。日本は固有の資源に乏しい国であり、科学技術を基盤とした国づくりが不可欠です。そのためには、次の時代を担う若者たちを鼓舞し、有能な科学者、技術者を増やしていく必要があります。
 私は、この国際プロジェクトを一関発展の基軸として位置付け、次の時代を担う子どもたちが、夢と希望と誇りを持ち、活躍できる「まち(地域)」となるよう「ふるさと一関」発展のため、ILCの実現に向け取り組んでまいりますので、今後とも皆さまのご支援とご協力をお願いいたします。
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https://www.kensetsunews.com/PB5001H/wp-content/uploads/2020/04/OK0000020042400401.pdf?fbclid=IwAR0W6xXAn0iXpBkF-DBSmHIm3Zy8PExOgk2K1u_syln8rTTEYZlYf3hAO9I

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