ILC検討日程問う 木戸口氏

■木戸口英司氏(岩手選挙区・参議院議員・自由党)は4月9日の参院内閣委員会で国際リニアコライダー(ILC)の国内誘致の残された可能性についての検討状況をただした。

回答:文部科学省 増子宏審議官(研究開発局担当)

■日本学術会議のマスタープラン2020(第24期学術の大型研究計画に関するマスタープラン)策定が来年(2020年)1月頃・詳細は以下の通り。
スケジュール(予定)
2019 年2月 大型研究計画の公募開始
2019 年3月 大型研究計画の公募締め切り…KEKは3/29までに申請しました
参考:KEKは、日米欧の研究者によるワーキンググループ(作業部会)を設置「5月に議論を開始して9月に文部科学省へ報告書を提出」する(メンバーは、日本人2名、北米2名、欧州2名、アジア1名の計7人で構成)
2019 年6月頃 大型研究計画の策定
2019 年 10 月頃 重点大型研究計画の策定
2019 年 12 月頃 科学者委員会における審議
2020 年1月頃 幹事会における審議

■欧州(EU)「次期欧州素粒子物理戦略」の策定が来年(2020年)5月策定
文部科学省は「ILCに関する欧州との意見交換」を昨年(2018年)3月16日にフランスと、5月9日にドイツと行っており、先方(フランス側およびドイツ側)の主な発言は以下の通り。日本学術会議の「誘致を支持しない」という2019年12月19日の最終結果と大きく変わらない内容になっている。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shinkou/038/attach/1406484.htm

○フランスとの意見交換
開催:平成30年3月16日(金曜日)
出席:[日本側]文部科学省研究振興局担当審議官、基礎研究振興課長、素粒子・原子核研究推進室長
          在フランス日本国大使館書記官
    [フランス側]高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)大型研究施設部長 他

先方[フランス側]の主な発言:
・欧州において大規模プロジェクトの実施の決定に当たっては、EUは判断する役割を持たない。CERNにおける欧州戦略改定※の議論が影響力はあるものの、あくまで科学的な答申であるため、それにより決定されるわけではない。 
・フランスの大規模プロジェクトの意思決定においては、他の科学的プライオリティ、技術的・社会経済的インパクトに関連した財政課題などの他のパラメータを考慮する必要がある。
・仏国内の研究者の感触では、LHCの結果を受けて、500GeV ILCにおいても標準模型を超える新粒子が見つかる兆候は得られないだろうという印象。250GeV ILCではヒッグス粒子の精密測定がクリアにできるという意味では意義がある。一般的には、プロジェクトのコストと期待される科学的成果のバランスが取れている必要がある。
※次期素粒子物理欧州戦略は2020年5月策定

○ドイツとの意見交換
開催:平成30年5月9日(水曜日)
出席:[日本側]文部科学省研究振興局担当審議官、基礎研究振興課長、素粒子・原子核研究推進室長
          在ドイツ日本国大使館書記官
    [ドイツ側]ドイツ連邦教育研究省(BMBF)大型施設・基礎研究部長 他

先方[ドイツ側]の主な発言:
・ILC計画が、CERNが調整する素粒子物理の次期欧州戦略に掲載されるためには、国際的なコンセンサスとコミットメントが必要である。また、仮にILC計画が掲載され、推奨された場合においても、第一には、CERNを通じた欧州からの貢献について検討すべきである。その上で、ILC計画へのさらなるドイツからの貢献の可能性を決定するためには、ドイツのロードマッププロセスにおいて十分な時間をかけて審議する必要がある。
・ドイツの大規模プロジェクト意思決定システムについても、日本と同様の仕組みがあり、科学審議会(WR)の科学的な評価に基づき、ドイツ連邦教育研究省がロードマップを決定する。このプロセスでは、すべての分野の大規模研究プロジェクトが、期待される科学的・技術的メリットだけでなく、期待される社会経済的インパクトも考慮して優先順位付けされる。
・ILC計画については、独国研究者は科学的な関心を有しているが、計画見直しで500GeVから250GeVになったことにより、可能性が制限されることから、本当に新しい物理が拓けるのか慎重な意見がある。
・大規模プロジェクトにおいては、いくつかの事例において、当初のコスト見積りが実際のコストとかなり差があり、予想外の追加経費がしばしば発生することが問題である。また、運営に当たっては、大規模プロジェクトを立ち上げて運用した際の知識や経験に基づくプロフェッショナルなプロジェクトマネジメントが要求される。

岩手日報2019年4月10日
画像


文部科学省の審議会(科学技術・学術審 議会学術分科会研究環境基盤部会学術研究の大型プロジェクトに関する作業部会)における検討状況についてはこちら(現在、2018年8月30日までの結果が掲載されています)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/021/

参考:日本学術会議の2019年12月19日最終結果
https://senmaya.at.webry.info/201812/article_7.html

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