【ILC】欧州素粒子物理戦略2020について萩生田文科大臣による日刊工業新聞記者の質問への驚きの回答とは?

【ILC 国際リニアコライダー】2020年6月19日 CERNによる欧州素粒子物理戦略2020(5か年計画)について萩生田文科大臣が日刊工業新聞社の富井記者の質問に回答した。その驚きの回答とは?(Youtube 6:08あたりから再生)
https://www.youtube.com/watch?v=oSOHFgNPXnA&feature=share&fbclid=IwAR06lQ-2WsJJsDqUVHLumElZWs4zso7378E-osw0FMSI1lvfOAtN71E5yVI

日刊工業新聞社の富井記者
「いま東北地方に~あの~設置が予定されている~国際リニアコライダーについてお聞きします」
「え~と、今週ですね~欧州の方で欧州、科学技術の長期計画欧州戦略というものがあるんですが、そこに、あの~国際リニアコライダーの結果が盛り込まれた」
「ただ一方で、その~文章からは、日本がやるのであれば欧州も協力するといったような少しうしろ向きな(表現?)にも、とられますので、今回それに載ったということで、大臣の所見と、あと、今後政府としての話し合いの方針、方向性などあれば教えてください」

萩生田文科大臣
「はい。え~と。お言葉ですけど”東北地方に予定している”という事実はございませんので。九州でも熱心に誘致をしていますので、改めてお願いしたいと思います」
「あの~先週の6月19日に欧州合同原子核機構(CERN)が発表した欧州素粒子物理戦略2020に於いて”ILC計画については、タイムリーに実現する場合には欧州の素粒子物理学コミュニティは協力を望むであろう″と記載されました」
「え~これは、欧州の研究者コミュニティが素粒子物理学分野の取組みの優先度を示す同戦略に於いて、ILC計画に具体的な協力を持って参加することまでは踏み込まなかったものと認識しています」
「また、欧州自身の将来の加速器研究計画について、より多くの分量を割かれており、技術的及び財政的な実現可能性を調査すべきことも記載されています」
「で。文科省としては、今回の欧州素粒子物理戦略も踏まえて、米欧の政府機関との意見交換などを行うなどして、昨年の3月に示したILC計画に関する見解(下記、2019年3月7日、文部科学省 磯谷桂介研究振興局長、国際リニアコライダー(ILC)に関する政府見解)に沿って、対応してまいりたいと思います」

===記===
2019年3月7日 

文部科学省 磯谷桂介研究振興局長
「国際リニアコライダー(ILC)」に関する政府見解 【全文】

 本日のリニアコライダー国際推進委員会開催にあたり、本レターを送付できることは大変光栄です。
 国際リニアコライダー(ILC)計画は、国際的な研究者組織において検討が進められてきた素粒子物理学分野における学術の大型プロジェクトであると承知しています。
 これまで我が国においては、ILC計画について、我が国の科学コミュニティの代表機関である日本学術会議における「国際リニアコライダー計画に関する所見(2013年9月)」を契機として、文部科学省において「国際リニアコライダー(ILC)に関する有識者会議」を設置し、科学的意義、コスト及び技術的成立性、人材の確保・育成方策、体制及びマネジメントの在り方等の観点から、検証を進めてきました。
 2017年11月には、ILCに関する国際的な研究者組織において、欧州CERNにおけるLHC実験を踏まえて、ILCの衝突エネルギーを500ギガ電子ボルトから250ギガ電子ボルトとする見直し案(250ギガ電子ボルトILC計画)が公表されました。
 これを受けて、有識者会議においてILC計画について改めて検証を行い、2018年7月に「ILC計画の見直しを受けたこれまでの議論のまとめ」を取りまとめ、計画の全体像を可能な限り明確に示した上で、日本学術会議に対して、ILC計画について改めて審議を依頼しました。
 2018年12月には、日本学術会議より文部科学省への回答として「国際リニアコライダー計画の見直し案に関する所見」が取りまとめられ、「政府における、ILCの日本誘致の意思表明に関する判断は慎重になされるべきであると考える」とされました。
 文部科学省においては、同所見の内容を精査しつつ、ILCに関する意義や効果について、学術的な観点のみならず、関係省庁とも連絡を密にして意見を聴取し、検討を行いました。

 ここに現時点のILC計画に関する見解を述べます。
 国際リニアコライダー(ILC)に関する有識者会議による「ILC計画の見直しを受けたこれまでの議論のまとめ」を受け、日本学術会議が審議を行い公表した「国際リニアコライダー計画の見直し案に関する所見」において、「現状で提示されている計画内容や準備状況から判断して、250ギガ電子ボルトILC計画を日本に誘致することを日本学術会議として支持するには至らない」「大型計画について学術会議として更に検討するとすれば、マスタープランの枠組みで行うのが適切」とされたことを踏まえ、ILC計画については、現時点で日本誘致の表明には至らないが、国内の科学コミュニティの理解・支持を得られるかどうかも含め、正式な学術プロセス(日本学術会議が策定するマスタープラン)で議論することが必要であると考えます。
 併せて、国外においても、欧州素粒子物理戦略等における議論の進捗(しんちょく)を注視することとします。
 また、ILC計画については、日本学術会議の所見において、諸分野の学術コミュニティとの対話の不足、成果が経費に見合うか、技術的課題の克服、実験施設の巨大化を前提とする研究スタイルの持続性といった懸念が指摘されている一方、素粒子物理学におけるヒッグス粒子の精密測定の重要性に関する一定の学術的意義を有するとともに、ILC計画がもたらす技術的研究の推進や立地地域への効果の可能性に鑑み、文部科学省はILC計画に関心を持って国際的な意見交換を継続します。

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